【その7】クリニックの倒産を目の当たりにして思うこと
とあるクリニックの倒産
はい。社会派しよさんです。
さて、、、前回の続きでございます。その7。
前回分は ↓ ↓ ↓
未払のままの賃金
とうとうクリニックも閉院となりましたが、職員のお給料は未払いのままです。
そこでお給料未払いの方の強い味方。『未払賃金立替払制度』というものがあります。救世主です。
未払賃金立替払制度
こういった給与未払いのまま、会社が倒産した場合は、立替払制度といって、未払い分のお給料の8割を雇用主に代わって国が立て替えて支払ってくれるらしいのです。
全額、もらえるのが一番いいのですが、そうもいかない時もある、、、8割だとしても、全くもらえないよりマシですね。
これを受けるには抜粋すると下記の要件が必要となります。
(1)使用者が、[2] 倒産したこと
大きく分けて次の2つの場合があります。
イ法律上の倒産([1]破産、[2]特別清算、[3]民事再生、[4]会社更生の場合)
この場合は、破産管財人等に倒産の事実等を証明してもらう必要があります。
ロ事実上の倒産 (事業活動が停止し、再開する見込みがなく、賃金支払能力がない)
この場合は、労働基準監督署長の認定が必要なので労働基準監督署に認定申請が必要
(2)労働者が、倒産について裁判所への申立て等(法律上の倒産の場合)又は労働基準監督署への認定申請(事実上の倒産の場合)が行われた日の6か月前の日から2年の間に退職した者であること
未払賃金立替払制度の要件を満たすか
さて、ここで振り返ります。【その1】で、閉院ではなく倒産です。と書きました。
従業員の強い味方『未払賃金立替払制度』
これがあるので安心!と言いたいところですが、ここのクリニックは別で株式会社を作っており、他の関連施設も含め、職員はほとんどそこの所属となっていました。
あ。こういう医療機関はけっこう多いと思います。
今回はこれが問題で、クリニックは閉院していても、その株式会社は破産手続きをしておりませんので、倒産していないことになっており、要件を満たしません。
破産手続きをするにもお金がいります。
経営陣はその手続きを放棄し、従業員のことも考えず、逃げてしまっているのです。
イ法律上の倒産([1]破産、[2]特別清算、[3]民事再生、[4]会社更生の場合)
この場合は、破産管財人等に倒産の事実等を証明してもらう必要があります。
経営陣が逃げてしまっていて、破産管財人も存在しないし、手続きもしていないため、ここが該当しないわけです。
ロ事実上の倒産 (事業活動が停止し、再開する見込みがなく、賃金支払能力がない)
この場合は、労働基準監督署長の認定が必要なので労働基準監督署に認定申請が必要
こちらが該当することになると思うのですが、これは事実上倒産しているという事実を労基に申請し、認定してもらう必要があり、それには時間がかかります。
すぐに未払い分のお給料が入ってくるわけではないのです。
そして、これには請求できる期限もあります。
未払賃金立替払制度の概要 〔参考〕立替払を受けることができる人
逃げ切った人が勝ちと思えてなりません。
未払賃金立替払制度にはタイムカードや賃金台帳などの資料も必要です。
が、前回書きましたが、部屋もめちゃくちゃで資料探すのも一苦労だったと思います。
それでも資料を探し出し、提出した職員の方たちはえらい。
そして、まだまだ続くのです。