電子カルテがない時代の医療事務のお仕事 ~~レセプト編その3 編綴について~~
医療事務の歴史
どうも。しよです。
前回に引き続き、医療事務の歴史を振り返ってみたいと思います。
前回はIT化が進んでいないひと昔前のレセプト点検業務について振り返ってみました。
前回分 ↓ ↓ ↓
レセコンや電子カルテがない時代
今回もレセプト業務についてです。その3。
今回はレセプトの提出について、今昔というよりも
紙レセプトと電子レセプトの業務の比較をしてみたいと思います。
現在のレセプトの提出
まず、現在のレセプトの提出方法ですが…
医療機関によっても様々ですが、主に次の3つかと思います。
- オンラインで電子レセプトのデータを送信
- CD-Rなどの記憶媒体に電子レセプトのデータを保存して提出
- 紙レセプトを提出
電子レセプトによる請求
2010年のレセプトの電子化による請求の原則義務化に伴い、
現在、電子レセプトによる請求が一般的となっています。
よくレセプト電算とか言われます。
レセプトチェックが終わり、内容の修正等を済ませると
レセコンや電子カルテなどでレセプトのデータを作成します。
そのデータをCD-Rなどの電子媒体に保存し
送付書をつけて審査支払機関へ郵送または持参、
もしくはオンライン請求システムにて審査支払機関へ
オンラインで送信します。
電子レセプト請求の猶予と免除
電子化レセプトによる請求が義務化されているとはいえ
一部個別の事情により電子レセプトによる請求ができない場合は
審査支払機関へ猶予届出書を提出すれば紙レセプトでの請求が可能です。
また手書きレセプトについても
『手書き又は常勤の医師・薬剤師全員65歳以上の高齢者である保険医療機関』
という条件で同じく審査支払機関へ免除届出書を提出すれば
手書きレセプトでの提出が可能です。
紙レセプトによる請求
電子化レセプトが義務化された今でも
紙レセプトによる請求をしている医療機関もまだまだ残っています。
どのくらい残っていると思いますか?
レセプト形態の請求状況が公開されていましたので抜粋しました。
レセプト請求形態別の請求状況(平成29年度)|社会保険診療報酬支払基金
右の赤枠の部分が紙レセプトで請求している医療機関の件数です。
400床以上の病院でまだ8件も紙レセプトによる請求です。
400床未満の病院は63件、そして診療所は4,971件です。
紙レセプトで請求している医療機関は93.587件中で5,042件で
5.4%が紙レセプトによる請求ということ。
いろいろな事情があるにせよ、現場の人たちは大変だと思います。
紙レセプトでの請求はいろいろな決まりごとがあるからです。
紙レセプトで提出するための決まり事
今も昔も紙レセプトを提出するためには細かい決まりごとがあります。
各都道府県によって違っていて、
国保連合会のホームページに今現在も記載してあります。
滋賀県の例ですが、今でも総括表や福祉請求書の表紙の紙の色
並び順、最後に台紙を添付すること、左上を紐で結ぶことなどなど
こまかーーーい決まりごとがあります。
これは滋賀県だけではなく、東京都でも北海道でも同じような決まりがあり
紙で提出する場合はこれに従って提出することになります。
総括表や福祉請求書も色用紙を使うことが多くあります。
それでも昔と比べると簡素化され、随分色が少なくなりました。
手書きが主流の時は保険種別ごとにレセプトの色も違っていましたので
かなりカラフルだったと思います。
総括表
総括表は印刷できる場合とできない場合があります。
印刷できない理由は、システムがショボいから、ではなく
そのため、システム側で47都道府県すべての様式に対応しているところは少なく
自院のある都道府県が対応してるかどうかによって
印刷できるかできないかが決まります。
できない場合は、印刷した総括表を自分の都道府県様式の総括表に手書きで転記。
手書きのレセプトの場合は総括表ももちろん手書きです。
電卓片手にポチポチです。
レセプトの並び替え
それらを都道府県の決まりにのっとって並び替えをし、
千枚通しで穴を開け、こよりで綴じます。
こよりってわかります??
ティッシュを指でネジネジするとできるアレです。
アスクルで見てみると…
これです。
これで綴じることになってましたが、
今はそこまで決められてないと思います。
この束を抱えて審査支払機関に持ち込んだり、郵送したりするわけですねー。
どうして並べ替えが必要か。
審査支払機関で保険ごとに抽出して
各保険者へ振り分ける必要があるからでしょうね。
やっぱりオンライン請求って楽ですね。
さて、ひと昔前のレセプト業務の一連の流れをご紹介しましたが
なぜ知ってるんだろう?いくつなんだ??と思うかもしれませんね。
それについてはまた次回。